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プロセスアプローチを『タートル図』で理解する


2015年版は、従来のISO規格と比較して、マネジメントシステムの流れが非常にわかりやすくなり、運用しやすく、効果的なものとなりました。
それでも「新たに追加された要求事項にはどう対処すればよいのか」
「実際のところ、どこまで取り組めばよいのか」
とお悩みの方も多くいらっしゃいます。

ISOの流れ、つまり「線」を理解せず「点」にのみこだわっていると、せっかくわかりやすくなった2015年版も使いにくいものとなってしまいます。

線としてISOを捉えるうえで、の『プロセスアプローチ』の理解は不可欠です。
プロセスアプローチをきちんと理解することで、実際に「何をすべきか」「なぜすべきか」が明確になってきます。


プロセスアプローチとは

『プロセスアプローチ』を行うには、まず普段の仕事をインプットとアウトプットに分けて整理します。
(例:製造部、営業部がそれぞれ自分の仕事の進め方を整理する)。
また、会社全体にその考え方を適用します。
(例:営業部が受注し、製造部に渡す)

どうしても、自分の部署の課題等を考えがちなので、
「会社全体の役割として、このままでよいのか?」
「もっとスムーズにできることはないか?」
などを業務を洗い出す上で浮かび上がってくる様々な課題などを見直していきます。
一つ一つの工程(プロセス)を明確にして、効果的に管理できるように仕組みを作っていくことがプロセスアプローチの流れです。

例えば、営業部が頑張りすぎて、製造部が対応できないほどの仕事を受けたら、納期に間に合わずクレームになる、という事態が発生します。
そうならぬよう、全体の仕事の流れのなかで効率を図っていきます。(『部分最適』ではなく『全体最適』)

会社内だけでなく、会社のモノ・サービスに係る会社外のすべての人がプロセスの範囲に含まれます。
「アウトプット」は、最終的には「組織が達成すべき何らかの目標(あるべき姿)」のことです。
プロセスアプローチで全体の流れを整理することで、一人ひとりの業務、各部署としての業務がどこに向かっているのか、何のために行っているのかが、明確になると思います。


プロセスアプローチをタートル図にしよう

実際に組織においてプロセスアプローチを行うための方法として、「タートル図」があります。

【タートル図】

      1)資源・設備   2)人
        ↓        ↓
インプット → → → → → → → → アウトプット
        ↑        ↑
      3)方法      4)基準

タートルとは『カメ』のこと、頭が『インプット』、尾が『アウトプット』(逆でもいいですが)、それに手足がくっついているイメージです。

上記の1)〜4)の内容は以下の通りです。
 1)資源・設備(Material、Machine):何を用いて
 2)人(Man):誰が
 3)方法(Method):どのように
 4)基準(Monitoring):どの程度まで
( )内の英単語の頭文字をとって5Mといいます。

このタートル図が、ISOを貫く「線」であると意識してください。


●タートル図を作ろう /4章

『4.4 マネジメントシステムとプロセスアプローチ』の項目では上記の『タートル図』を作りましょう、と要求していると考えていただければよいです。(※図を作るという意味ではなく、この流れを明確にする、という意味です)

ISOとはすなわち、このタートル図が『ちゃんと整っている状態』のもとにおいて適切なアウトプットを生み出すことです。


●タートル図が整わない(管理できない)

タートル図の5Mを管理していくなかで、うまく運用できていない箇所が出てくると思います。
それが今後解決すべき「課題」です。


●タートル図に予期せぬことが起きる /6章

仮にすべてが整ったとしても、様々な外的、内的状況の変化により、『社員が辞めた(人)』『新しい機械を購入した(設備)』など、予期せぬことは起こりえます。

それが、管理すべき『リスク及び機会(6章)』です。
リスクというと、何から取り組めばいいのかと悩む方も多いようですが、『タートル図が整わない状態』とはどんな状態か、そうなった場合に何をすべきかを明確にすればよいでしょう。


●タートル図に必要なものは /7章

タートル図のところで説明した1)〜4)について、『支援(7章)』で具体的に必要な資源や人材等を整えていきます。
資源というと、とりあえず規格に書かれてあることを適当に列挙しようとする組織もありますが、要求事項にどう対応するかではなく、タートル図を整理すると考えると、必要な資源が明確になると思います。

『5M』に基づき、組織が求める人材(力量)を明確にし、それを教育によって認識させていきますが、いつもと違う状況(タートル図が整わない)状況が生じた際は、その都度情報として伝え、共有していく必要があります(コミュニケーション)。
また、コミュニケーションや教育だけでは、仕事を進めていく上でのすべてを伝えることはできないので、最低限の情報を共有するため、必要な手順書等は文書化します。

時折、一般の社員教育と、ISOのために実施している教育がリンクしていないケースがあります。
タートル図から必要な項目を整理し、リスク等を考えていくと、「何を教育すべきかは明確になっていくでしょう。


●タートル図を行うには /8章

タートル図が整えられたら、実際に『運用(8章)』できるようにします。
必要な情報はあるのか、責任者は決まっているのか、方法は決まっているのか、どこまでするのかなど、タートル図を意識してルールを明確にしていきます。


●タートル図は機能しているか /9・10章

「タートル図で定めた通りに、運用できているか?」
「課題を克服できているか?」
「想定したリスクに対応できているか?」
などを評価(9章)していきます。

そこで挙がった課題を次回以降のテーマとして、改善等に取り組んでいき(10章)、常にブラッシュアップしていきます。


2015年版のプロセスアプローチ

ISOとは一言でいえば『ちゃんとした状態(=プロセスアプローチ)』を整えること。
『ちゃんとした状態』とは何か、そのために何を準備し、何をすべきか。
『ちゃんとしていない状態』になりそうなのはどんなときか。
そうなった場合に何を準備し、何をすべきか。

言ってしまえばそれだけのことなのですが、従来のISOは、それが不明確な構造でした。
しかし2015年版では、規格通りにISOをつくることで、プロセスアプローチが整えられ、運用しやすくなっています。







    2015年版のISO 9001・14001の構築のコツなど、ISOについてのQ&Aはこちらへ

    2015年版改訂のポイントについて

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