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OHSAS 18001(労働安全衛生マネジメントシステム)

OHSAS 18001とは

OHSAS 18001とは、Occupational Health and Safety Assessment(職業上の健康と安全に関する評価シリーズ)のことです。

企業活動の中で労働安全衛生上のリスク(事故)が発生した場合、事後対策に膨大なコストが生じ、生産活動にも支障をきたします。また、取引先、顧客、社員とその家族からの信頼を一瞬にして失い、管理者・経営者の責任が問われ、社会的批判や裁判・制裁を受ける事になりかねません。

OHSAS 18001は、このようなリスクを防ぎ、労災および労災によるロスを削減、軽減することはもちろん、組織全体に労働災害の防止の仕組を適用し、労働者の福利厚生や組織の効率を向上させるための、労働安全衛生マネジメントシステムです。

OHSAS 18001では『リスク=危険源』を考える

OHSAS 18001は、何か問題が起きてから反応する『リアクティブ』ではなく、何か起こる前に対策をとる『プレアクティブ』の考え方が大前提とされます。

問題が起こる前に『こんな事故が発生しそうだ(リスク=危険源)』という可能性を予測し、自主的・能動的に対策をとります。

 P 労働安全方針の設定
組織の労働安全に対する取組を示す
 D リスクアセスメント
危険源の洗い出し 危険源の洗い出し
 組織活動が労働安全に与えている影響を洗い出していく
法的及びその他の要求事項の明確化
 労働安全に関する法律に適合しているかどうかを調べる
 

   
『重要度』の評価 ・どのような事故や怪我、疾病が起きる可能性があるか』
・どのくらいの頻度で起こる可能性があるか』
・仮に事故が起こった場合、体に与える影響はどのくらいか』
管理方法の決定 特定したリスクを管理する手順を決める
C 運用管理
 手順を運用する
 ・目標を定めて管理するもの・・・目標管理
 ・現状を悪化させないよう維持するもの・・・日常管理
A 見直し
ルールどおり行われているか見直する



リスクアセスメントの考え方

リスクアセスメントにおいて大切なことは、『労働安全においてリスクとなりうる要素』を、まずは全部抽出することです。「全部抽出しても管理できない…」という理由で抽出しないケースが時々見られますが、それでは意味がありません。

ただし抽出したものを、すべて管理の対象にする必要はありません。
また、「影響が大きい」「リスクが大きい」とされたものに対しても、一様のレベルで管理を行なうわけではありません。

『重大なリスクの要素があるものは、すべて重点管理をする』という単純な発想ではなく、リスクが起きる『原因』『相互関係』『過程』などを総合的に考慮したうえで、リスクをどのように抑えていくかを決めます。

OHSAS18001は、自社ではどのような事故の可能性があるのか把握することで、『しなくてもいい管理』は行わず、『すべき管理』『した方がよい管理』だけを行う、効率のよい労働安全対策です。

  • OHSAS 18001では、まずはどんな労災(リスク)が起こりそうかを洗い出して『重要度』を評価する
  • 特定したリスクを管理するルールを決めて実践する。
  • ただし、慣れや怠慢で安全意識は時が経つにつれて薄れがち。だから『見直し』が大事。『見直し』までを仕組みに入れるのが、OHSAS 18001の考え方。


OHSAS 18001のISO化

OHSAS 18001は、労働に関する規格として国際的に認知された唯一の規格であり、ISO化(ISO45001、2016年10月予定)されることが決定しています。

現在は、審査認定機関が設立されていないため、各審査登録機関が独自で審査登録業務を行っています。

ISO 9001、ISO 14001とOHSAS 18001との関係


●品質と労働安全

OHSASを単独で導入している企業はあまりありません。ISO 9000や14000と一緒に取り組むことによって、経営にも役に立つという仕組みになっています。

例えば、ビルの窓拭きを例に挙げてみます。
窓拭きの際は、落下を防ぐために命綱などで安全を確保することになっています。しかし、命綱の範囲で届かない部分があったとします。すると、その部分はムリに掃除すると危ないため、手抜きされることもあります。

労働安全を疎かにすると作業も疎かになり、その結果、質やサービスの低下に繋がります。裏を返せば、安全活動を徹底すると品質、サービスの質が向上、改善へと繋がっていくのです。

●環境と労働安全

本屋で「カバーをお付けしますか」と聞かれることがあります。もしも書店内に『コスト削減のため、カバーをつけないことにしました』と書いてあれば、この店はサービスが悪いと思ってしまいますが、「環境のため」だと書いてあると納得します。
労働安全システムとISO 14001をセットで導入する企業が多いのはこのためです。

これは品質と環境の例ですが、労働安全の場合も同じです。単に労働安全のためだというより、環境のためだというほうが価値が出てくるのです。

1999年に起きた東海臨界事故では、ウランをバケツで運んでいたことが世界中に大きな衝撃をもたらしました。
これは、労働安全の面からみても考えられないことでしたが、環境の面でもおかしいといえます。

環境影響と労働災害は常に表裏一体です。安全に働ける場所は環境にも優しいのです


●労働安全衛生システムを経営に役立てよう

福祉施設などの視察は日本でもよく行われています。しかし、日本では「患者さん」が満足しているかのみを見るケースが多いようです。

福祉大国スウェーデンでは、従業員が無理をして働いていないかどうかが最大の視察ポイントになっています。働いていることの質を高めることがサービスの質を高めるという認識があるためです。

労働安全は従業員の環境向上だけではなく、提供するモノ、サービスの質を高めるための経営のツールのひとつだと言えるでしょう。



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