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企業の社会的責任(CSR)

CSRとは

CSRとは、Corporate Social Responsibility(企業の社会的責任)の略であり、企業が社会の一員として存続するために、社会的公正や環境への配慮を活動のプロセスに組み込む責任のことを言います。

CSRでは、法令順守をはじめ、環境対策、労働安全衛生、人権擁護、社会貢献などが目標であり、株主や従業員、消費者・取引先(顧客)、地域社会などのステークホルダー(利害関係者)への説明責任を果たして、企業価値を高めることが求められています。

マネジメントシステムとしてのCSRを考えると、ISO9001は顧客重視、ISO14001は利害関係者重視、OHSAS18001は労働者重視であると位置づけることができます。

したがってCSRとは、ISO9001、ISO14001等のすべてのマネジメントシステムに含まれる考え方だといえるでしょう。

日本に限らず、世界的に企業の不祥事が発生している中、企業の社会的責任を望む声が高まっています。


CSRのISO化

企業は利益をあげ、企業市民として社会に貢献することが求められています。
このことは法律を守るだけでなく、プラスアルファとして積極的に社会貢献していくことを意味しています。

企業の社会貢献については、これまで「環境」に対する取り組みが主なものでした。
それに加えて、遵法監視や労働者の権利保護、メセナ活動など幅広い分野における取り組みも期待されています。
株式投資でも「環境ファンド」に次いで、「社会責任ファンド」が商品化され、注目されています。

環境に関してはISO化(ISO14001)しましたが、その他の部分についてはとりあげられていませんでした。
しかし、食品の偽装表示やメーカーによるリコール隠しなど、利益をあげるために社会責任を果たさない企業が続出する中、改めて経営体質を改善する手法としてCSRが注目されています。

こうした流れを受け、2010年11月に「ISO26000 社会的責任規格」が発行されました。


ISOマネジメントシステムの視点からCSRを考える

CSRの調査にあたり、以下の項目(概要)を調査対象とするケースがあります(日経新聞より)。

    1.経営戦略・組織体制
    2.コンプライアンス
    3.社会貢献
    4.従業員対応
    5.消費者・取引対応

上記の各項目について、ISOマネジメントシステムの視点から、次の点に注目したいと思います。

  1. 経営戦略・組織体制の評価指標として、内部コミュニケーションが取り上げられている。
  2. コンプライアンスの評価指標として、経営上のリスクに関する取組み状況がチェックや企業倫理方針の外部公開などが盛り込まれている。
  3. 社会貢献の評価指標として、環境会計や廃棄物処理など環境を意識した内容になっている。
  4. 従業員対応の評価指標として、メンタルヘルスケアなどが盛り込まれている。
  5. 消費者・取引対応の指標として、クレーム対応,個人情報保護法への対応などが盛り込まれている。

「3」は、「環境会計や廃棄物処理など環境を意識した内容になっている」と、明確に環境という用語が使われていることからもわかるように、環境マネジメントシステム(ISO 14001)を意識した内容となっています。

「4」は、従業員に対する対応を取り上げていることから労働安全衛生(OHSAS 18001)、「5」は、顧客満足に関する項目ですので品質マネジメントシステム(ISO 9001)を意識していると言えます。

また、マネジメントシステムの基本「法律を守る」という視点で、「2」のコンプライアンスが取り上げられています。
さらにこれまでのISOでは明確ではなかった「経営戦略」についても追加されており、ISOを強化した形になっています。

ISOを構築する際、「品質」「環境」といった言葉を狭義にとらえるのではなく、ISO 9001は顧客重視、ISO 14001は利害関係者重視であると位置づけて、マネジメントシステムを構築することが大切です。 (OHSAS 18001は労働者重視です)
したがってCSRとは、ISO 9001、ISO 14001等のすべてのマネジメントシステムに含まれる考え方だといえるでしょう。



CSR今後の課題

日経新聞による調査では、経営リスクという評価指標が「2」のコンプライアンス(企業による法令順守)の指標として取り上げられていますが、若干、物足りない気がします。
法律を遵守していないことによるリスクは、経営における重大なリスクとなり、企業にとって「脅威」となる問題です。

しかし、企業を取り巻くリスクは、このような明らかな「マイナス」のリスクだけではありません。
経営上、「機会の損失」が生じた場合のリスクもあります。「機会の損失」とは、活用すべき機会を見逃すことにより、企業が見えない損失を被っている状態を「リスク」としてとらえたものです。

「脅威」と「機会」の両面から対応できているかどうかを、「1」の経営戦略的な要素として位置づけるべきではないでしょうか?

これは第1回の調査結果であり、今後精査されていくものと思われます。

ちなみに今回の評価指標は、「日本経営品質賞」の審査項目と似通っているように思われます。
経営品質賞では経営戦略の浸透度合いや社会貢献に対してどのような計画を立てているかなどが評価基準になっていますが、CSRの評価基準も経営の成熟度を図る目安として、今後定着する可能性もあります。


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