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4章 『組織』について


『組織』の状況

2015年改訂版の共通テキストの4章は、『組織の状況』について記載されています。

ISO 9001:2008の「用語」のページには、
『組織:責任、権限および相互関係が取り決められている人々および施設の集まり』
と書かれています。2008年版では、「組織」という言葉そのものについての定義はありましたが、「組織」がどうあるべきかということについては、従来は明確に要求されていませんでした。

2015年版では、
『組織は、組織を取り巻く外部及び内部の課題を明確にしなければならない』
という記載があります。

外的及び内的課題とは、
『組織の目的及び戦略的方向に関連しているもの』
『組織の品質マネジメントシステムにおいて、意図した成果の達成に影響を与えるもの』

とされています。

2008年版では、ガイドラインであるISO 9004や序文において言及されていますが、2015年版では『推奨事項』ではなく『要求事項』となります。


組織は『経営戦略』を立てること

『内部、外部の課題を明確にする』とは、つまり「経営戦略を立てることが要求事項として明確になった」のだと考えてください。

すなわち、
「組織が目指すものは何か」
 (例:地域売上げNo1、地域に必要とされる企業など)
「それを実現するために必要はものは何か」
 (例:専門知識をもったスタッフ、イントラネットなど)
「実現を阻んでいるのは何か」
 (例:人材不足、技術力が低い、資金が足りないなど)
「現状を打破するために何をすべきか」
 (例:計画的な人材育成、他社との技術提携、制度融資の活用 など)
を明確にします。

「あるべき姿」を考え、「現状分析」を行い、「行動指針」を考えます。
そして、「行動指針」に基づき、「あるべき姿」に近づけていくために、品質マニュアル等を作成していくという本来の姿が明確になったといえます。

自社を知ろう

『組織』では、自社を深く知ることが求められます。

社内にはどんな強みや弱みがあるのか。
強みはどのように活かし、弱みはどのように克服するか。
また、社外からはどんなよい影響、悪い影響を受けるか。
それに対し、自社はどのように対処していくか。

これはISOに限らず、何かを成し遂げようとするとき当然のことです。
その当然のことが、ISO規格の中で明確に要求されることになります。

現在は特に困ったこともないから、別に自社の状況など把握しなくてもいいし、社外のことも気にしなくていい……と思っていたとしても、世の中はどんどん変化していきます。

日本の人口が1899年の調査開始以来初の自然減、個人情報保護法の施行、ドラえもんの声優が一斉交代…

というのが2005年の出来事ですが、これらは10年後、常識になっています。
人口が減らない未来を当然だと考えたり、個人情報をぞんざいに扱ったり、といったことを行ったりしたら、完全に時代遅れです。

そしてそれは、組織にとって『リスク』にもなります。
リスクとは、地震や労災といったことだけでなく、組織を取り巻くすべての『変化』のことです。
組織を知ることは、変化というリスクから組織を守るための最大の武器になります。


組織は『利害関係者』について明確にすること

また、2015年版では、上記の分析等を行う際に独りよがりにならないように、『利害関係者』のことを明確にするように書かれています。

『利害関係者』というのは、組織を取り巻く人々という意味です。顧客、製品のエンドユーザー(消費者)、供給者、従業員、 株主、銀行、周囲の住民が含まれます。
これらも含めて、組織のあり方を考えていくことが求められます。

例えば、自社のやりたいことと顧客のニーズが異なっているのであれば、自社の方向性を修正するか、又は新たな顧客を開拓するかといった選択を行う必要があります。
これらは本来、組織としてすべきことでしょう。

『何のために仕事するのか』
『何のために組織は存在するのか』
そういった問いを、改訂版の要求事項は投げかけています。

そして、『適切な適用範囲を定める』ことで、『自社は何を目指すのか』を明確にすることが求められています。






    2015年版のISO 9001・14001の構築のコツなど、ISOについてのQ&Aはこちらへ

    2015年版改訂のポイントについて



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