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『8.2』顧客要求事項の変更


『製品実現』から『運用』へ

『8.運用』は、2008年版では『7.製品実現』の部分でした。
『製品』の文字が消えたことに注目できます。

ISOはもともと製造業の品質管理を行うことを目的として誕生しましたが、品質管理が必要なのは、何も製造業だけには限りません。

様々な業種で品質管理活動が盛んになったことから、 2000年版からは流通業やサービス業など、すべての業種が導入しやすいよう『マネジメントシステム』という形に変更されました。

しかし、その内容は、それ以前のISOの流れをくんで『製品に対する規格』という要素が強く残っていました。

2015年版では『製品およびサービス』が対象となっていることが明確になり、要求事項の文中も、すべて『製品およびサービス』と記載されています。

製品およびサービスとは、全てのアウトプット分類(ハードウェア、サービス、ソフトウェアおよび素材製品)を含んでいます。
要するに『全ての業種、職種』がISOの対象となったと言うことです。


その改定が最もはっきりと現れているのが『8.運用』です。
とはいえ、内容的には2008年版の『製品実現』とほとんど変わりません。
ただ、順番が組み替えられた部分が多々あり、広い業種に対応した内容となりました。

今回は、8章の中から『8.2』を取り上げます。


8.2 顧客要求事項の変更を見てみよう(2008年版の7.2)

2008年版(7.2 顧客関連のプロセス)
 7.2.1 製品に関連する要求事項の明確化
 7.2.2 製品に関連する要求事項のレビュー
 7.2.3 顧客とのコミュニケーション

2015年版(8.2 製品およびサービスに関する要求事項の決定)
 8.2.1 顧客とのコミュニケーション
 8.2.2 製品およびサービスにする関連する要求事項の決定
 8.2.3 顧客要求事項のレビュー

顧客に関する要求事項の部分です。
多少用語の変更はありますが、内容的にはほとんど同じです。
ただし、順番が違います。

2008年版では
 ・顧客の要求事項を明確にする
 ・レビューする
 ・コミュニケーション(顧客とやりとりする担当者を決める)

2015年版では
 ・コミュニケーション(顧客とやりとりする担当者を決める)
 ・顧客の要求事項を明確にする
 ・レビューする

2015年版だけ見ると、担当者を決めて、顧客への要求事項を明確にし、要求事項が達成できているかどうかを決めるのは当たり前じゃないかと思います。

しかし2008年版では、とにかく先に要求事項を決めるようになっていました。
もともとISO9001は受注型製造業をモデルに置いていたため、要求事項の明確化が先にあったためです。

しかし実際な受注の流れを見ると、一般的な営業活動でのみ行われるわけではありません。
・配達のついでに、注文をとってきた。
・新製品の打ち合わせ中に、注文を受けてきた。
・社長が接待ゴルフ中に受注してきた。
など、組織のさまざまな活動の中で行われることがあります。

それをまとめておかなければ、通常の流れ以外で受注したものを見逃してしまい、「なぜ、商品が届かないのか」というお叱りの声をいただくことになります。

このため、まずは、窓口(担当者)を決めていくことが必要です。

今回の改正では、このように実際の業務の流れを考慮し、組み替えられた部分が非常に多く見られます。

ISOシステムは、さらに実務に近づいた形になったと言えるでしょう。


    2015年版のISO 9001・14001の構築のコツなど、ISOについてのQ&Aはこちらへ

    2015年版改訂のポイントについて









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