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顧客重視とは (ISO 9001:2015 5.2項)


顧客重視のためにすべきことは?

ISO 9001の目的は『顧客の要求する製品、サービス』を提供することで、『お客さんに満足してもらうこと(顧客満足)を目指すこと(=顧客重視)。
と口で言うのは簡単ですが、実際のところ『顧客重視』といっても何をすればよいのでしょうか。

顧客重視については、マニュアルなどで文書化する必要はありません。
品質方針やISO 9001における各活動の中で説明できるようにしておけばよいのですが、そのため余計に「何をすればよいのか」「どのように考えればよいのか」が不明になりがちです。

さて、かつて顧客満足について、こんな話をしたことがあります。

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お盆に広島の実家に帰省しました。
実家へはいつも、博多名物の明太子をお土産に買っていきます。
当日、近所のスーパーで明太子を購入してそのまま高速に乗るため、買った明太子をクーラーボックスに入れる予定にしていました。
ところが、クーラーボックスを持って行くの忘れてしまいました。
取りに帰るのも面倒だったので、お店の人に、約3時間半、車の中に置いていても傷まないかどうか尋ねてみました。
すると、お店の(おそらく)パートの女性は、話の内容から事情を察し、それなら余っている発泡スチロールの箱があるからそれをあげましょうといって、倉庫から持ってきてくれました。
しかも、匂いがつかないようにと、果物が入っていた発泡スチロールを持ってきて、丁寧にふきんで拭いて渡してくれたのです。
ちょっとした出来事ですが、細かい心配りが嬉しかった日でした。
「顧客満足」は、難しく考える必要はありません。
相手の立場に立って、考えるだけでよいのです。

(メルマガ『マネジメントのマメ知識 創刊号(2003年9月)の「編集後記」より)
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顧客重視とは、手っ取り早くいえばこういうことですが、この頃著者(三村聡)はコンサルタント3年目くらい、ISO 9001:2008もまだ誕生していない頃です。今だと、こんな説明はしません。

まず、上記の話は「ある一人の従業員」で終わっています。
たまたま気が利く人がよいサービスをした、ではマネジメントシステムとは言えません。
この従業員の心配りは、システムとして全従業員が共有していく必要があります。


2015年版の顧客重視のポイント

2015年版における顧客重視のポイントは、以下の3つです。

◆品質を保証する(QA)

顧客要求や法的要求を遵守し続けることにより、品質を担保し、顧客が望むものを提供すること。
顧客重視の基本です。

◆リスクに対応する(RM)

自社で定めた顧客重視のシステム(プロセスアプローチ)が常に完璧に行われていたら、常に意図した製品・サービスを提供できますが、残念ながら必ずしもいつもうまくとは限りません。
必ず突発的なトラブルは生じます。

何らかの理由で顧客の望むものができなかった場合のリスクを想定し、その対応策を決めておくことが必要です。
トラブルに対応し、顧客にある程度の製品を提供でき、満足が維持されることがリスク対応です。
それによって、不良品などの『顧客が望まないもの』は提供しないようにします。

◆顧客に満足していただく(CS)

顧客に望むものを提供するだけでは、真の顧客満足とは言えません。
顧客の望むもの+αを追求し、顧客の期待をこえていく必要があります。
『顧客が不満足ではない状態』を超えたサービスが真の顧客満足です。


このうち「QA」および「CS」については、明太子の例を引用して説明することができます。
これを「仕組み」としてマネジメントシステムに組み込んでいけばよいでしょう。


リスクへの対応を考慮した『顧客重視』を

さて、2003年の頃には想定していなかったことが「リスク対応」です。

「ISOを取得し、きちんと活用すれば、こんな風に仕組みが整えられますよ」
「仕組みが整うと、顧客満足にもつながりますよ」
ということは、私も長年言い続けてきました。

けれど、それはあくまで「想定したとおりに仕組みが動いた場合」の話。
もしも事故や天災、さまざまな変化により、想定外のことが起こったら…
「それは例外だから仕方ない」
と、2003年の私は答えていたかもしれません。

今の私は違います。
「想定外のことは『リスク』として認識し、リスクを想定した顧客重視を行おう!」と答えます。
(今の私、というより、今のISOなのですが)

例えば、 顧客重視を阻害するリスクを想定し、対策を考えます。

顧客重視については、これといった『手順』がないため、仕組みにしづらいかもしれません。

『心遣い』『真心』『おもてなし』といった、抽象的で日本的な「顧客重視」も大切ですが、そのようなことが『もしもできなかった場合、組織がどんな不利益を被るか』を考えてみると、もっと具体的な対策が考えられるのではないでしょうか。









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