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『設計・開発』で顧客の期待を超えよう


設計・開発とは

ISOでは、要求事項で使われている専門用語が難しい、という声はよく聞かれますが、8章の『設計・開発』もそうです。『設計・開発』というと、機械や薬品でも開発することなのか、といったイメージが持たれ、とっつきにくいと感じられるようです。

『設計および開発(8.3)』は、2008年版(7.3)でも規格の中に存在した要求事項です。
原文では『design and development』と書かれています。

顧客のニーズに合わせて仕様を確定する際に、どのような手順で行うかをまとめたのが『設計・開発』です。

2008年版から取り組まれている場合、内容的にはそれほど大きな変化はありませんが、改めて『設計・開発』の意図を整理します。

まず、設計・開発とは何か、何をすべきか考える前に、ISO 9001の基本姿勢を思い出してください。
それは、『顧客満足度を高めていく』ことです。
顧客の要求事項を満たすのは当然のこと、顧客の期待を「良い意味で」裏切っていくことも大切です。

顧客の期待を裏切って(超えて)いくために何ができるかを考えるのが「設計・開発」プロセスと考えればよいでしょう。

リスクを考慮したうえでも、「今のままの顧客満足」と「これからの顧客満足」の両方に備える必要があります。

そのためにも、従来の商品やサービスだけでなく、顧客のニーズにこたえられるよう、常に新しいことにチャレンジしていくことが求められます。

例えば、

・既存製品・サービスでは対応できない場合、新たにニーズにあった製品サービスを開発したり新製品を作る
・製品やサービスを新しくアレンジしたり改良する
・顧客からの要求を受けて、新規に製品やサービスを提供できるようにする

といった活動が、設計・開発となります。


8.3以外を適用する設計・開発

さて、「設計・開発」というタイトルの要求事項は「8.3」ですが、ここはもう少し広い視野で捉えてみましょう。

例えば、
・8.2『製品およびサービスに関する要求事項』で顧客の要求事項を理解し、自社として追加すべきことを考える
・8.5『製品およびサービスの提供』で製造プロセスの段階で試行錯誤しながら製造基準を検討する
といったことも、『設計・開発』といえます。

『設計・開発』という言葉にとらわれるのではなく、このような認識も踏まえて『顧客の期待を超える』ことを考えてみましょう。


様々な『設計・開発』

とはいえ製造業などの、成果品が『モノ』として出てくる場合については『設計』がどんなもので『開発』は何をするかのイメージがつきやすいのですが、『自社には設計・開発がない』と考える組織では、そもそもこの言葉に戸惑ってしまうようです。

『設計・開発』という用語が、いかにも製造業の現場で使われる言葉であり、例えば飲食店や美容院等では、まず登場しないことが、その理由だと思います。
また、OEMなどの形態の組織も、委託先の要求通りに製品を作ることが求められるため、勝手に開発できないし工夫のしようもない、と困っているようです。

確かに、使い勝手を良くしようと製品を改造したり、新製品を作ったりといった『設計・開発』は難しい部分があります。

しかし、『顧客満足を追求するために何ができるかを常に考える』という意味では、設計・開発プロセスそのものは必ずどの会社にも存在します。

・飲食店であれば新しいメニューを作って提供する
・倉庫業であれば、新しくチルドゾーンを増やし、取扱いメニューを増やす
・ホテル業であれば、顧客のニーズに合わせて利用プラン(深夜割引、昼間ショートスティ利用など)を提供する

これらに対し、8.3項で対応するのか、8.2項で対応するのか、8.5項で対応するのか、8.4項で対応するのか、それは会社の業務プロセスによって異なります。
会社の都合に合わせて適応させていけばよいでしょう。

ただし、2015年版ではかなりスリム化されており、どの企業でも、8.3項を適用しやすくなっているので、まずはどんなふうに「8.3」を適用できるか考え、取り組んでみましょう。


設計・開発とは、顧客の期待を良い意味で裏切る『びっくり箱』のようなもの。
開けたら想像を超える何かが入っていて、お客さんに満足してもらえたらびっくり箱は大成功ですよね!








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