ISO認証取得コンサルタントを選ぶ方法とは? 
コンサルに頼らず自力でISOを取得する(ISO自己宣言)際のポイントとは?

コンサルティングの進め方

よいコンサルタントを選ぼう

ISOコンサルタントと一口に言っても実に様々な人がいますが、できれば「よいコンサルタント」を選んでいただきたいと思います。
書類も作れず審査に通すこともできないコンサルタントは、通常はいません(論外です)。ただし、よいコンサルタントかどうか、というと話は違ってきます。

「よいコンサルタント」の条件とは何か。

まずは、しっかりとした知識と経験を持っていること。
そして、御社の状況にあったアドバイスをしてくれることです。

審査に合格し認証取得できても、構築したシステムが御社に合わなければ、後々運用できなかったり、形だけのISOになることもあります。

コンサルタントの「業種実績」は大切?

コンサルタントの実績に関して、『御社と同業種』のコンサル経験があることについてはそれほど重視する必要はないでしょう。
同業種であっても組織の状況はそれぞれ異なるので、状況に応じた指導を行えることの方が重要です。「建設業のみ」「製造業のみ」しか支援したことのないコンサルの場合、その業界に対する知識はあっても、ISOシステム構築に対する能力と業界知識は別なので注意が必要です。

相性のよいコンサルタントを見つけよう

「よいコンサルタント」の条件は、もう一つあります。
それは、御社との相性が合うコンサルタントであること。
相性が合わなければ「コンサル選びに失敗した」ということになりかねません。

  • ISOで会社を改善したいと思っていたのに、効果が感じられない…
  • 小規模の組織で、他社との競争や入札のために、できる限り負担を少なくしてISOを導入したいと思っていたのに、コンサルが複雑なシステムを作ったため、社員が誰も理解していない…

こういった不満は、御社のISO取得の目的と、コンサルタントの支援方法がミスマッチだったことから起こります。
「私のいた会社ではこうだった」とか、「こういう書類を作るべきだ」と自己のやり方を押し付けたり、どんな会社に対しても同じようなシステムしか構築しないなど、御社の状況に合わないご支援しかできないコンサルタントは避けたほうがよいでしょう。

コンサルタントを選ぶ際は、是非御社の目的をしっかりと伝えてください
「わが社は今、こんな状況なのでこのようにしたい」
「ISOについてはよく理解していないが、取引上必要なので、まずはできるだけ負担を軽くして取り組みたい」
といった漠然としたことでも構いません。

そのような要望を正しく聞き出し、御社の状況を見極めつつ、適切な指導を行う―そんなコンサルタントをぜひ選んでいただきたいと思います。

ISOコンサルタントに依頼せず、社内の人間だけでISOシステムを構築し、ISOを取得することも、もちろん可能です。
自分たちの手だけで1からISOを構築すると、若干費用が抑えられ、ISOに対する思いもひときわ強くなり、納得のいくISOを構築できるという面もありますが、コスト削減や理想だけを考えて自力取得を狙うのは危険です。
自力取得を考える際は、メリット、デメリットを頭に入れておいたほうがよいでしょう。

自力取得のメリットとデメリットは?

  • 費用が抑えられる
    • ISOの解釈や構築にかける時間、人件費等を考慮すると、必ずしもローコストで構築できるとは言えないので注意が必要。残業代などを考えると、コンサルに頼んだ方が早く、安く、効率よく出来た…という場合もありますので気をつけましょう。
  • 達成感がある
    • トップ、管理責任者、事務局が1からISOを学ぶので理解が深まります。また、苦労して構築したISOシステムに愛着を持てるというメリットも。
  • ISO構築に大幅に時間をとられるため、業務に支障をきたす
  • 市販のマニュアルなどを参考にすると、認証取得のためのマニュアルはできても「できた」というだけで、自社の業務状況と合わず、運用しづらいものになることも。

重要ポイントはコンサル利用がおすすめ

自力で取得する場合も、特に内部監査員の養成などの重要ポイントに関しては、コンサルによる指導を受けた方が、審査での対応もスムーズに出来ます。

コンサル利用のメリットとデメリットは?

  • システム構築において、どの点が悪いのか、どうすれば改善できるのかを明確に指摘してもらえる。
  • ISO構築における会社の負担が少なくなる
  • 無駄なマニュアルやシステムを作らず、必要なもののみを的確に構築することができる
  • 自力構築に比べて費用は高くつくことがある。
  • コンサル選びに失敗すると、組織がうまく運用できず、自力取得と変わらないことにも

ISOを自力で構築したとしても、「審査」を受けない、つまり「自己宣言」という手もあります。文字どおり「勝手に宣言」するというものです。
第三者による審査はないため審査費用はかかりませんが、認証マークは当然ありません

自己宣言の2つの考え方

自己宣言には、2つの考え方があります。

1つ目は、まずは自社でシステムを構築し、認証マークを必要とする状況が発生した場合(入札条件など)に、審査を受けて第三者認証を受ける(ISOのマークが付与される)という考え方です。

2つ目は、一旦、第三者機関による認証を取得したのち、自己宣言に切り替えるというものです(ISO認証は返上されますが、構築したシステムそのものは残ります)。

とりあえずISOシステムを構築したいという場合、自己宣言からはじめるというやり方もあります。
ただし、システムが構築されていないのに自己宣言すれば信頼性に欠けます。そのため、外部から問合せ等があった場合には、マニュアルや内部監査結果を公表し、自己宣言の正当性を証明しなければなりません