はじめに~うまくいくISO


普通のISOとうまくいくISO

ISOは、会社のルールを明確にして、文書化し、決めたルールどおりに管理されていることを第三者(ISO審査機関)に証明してもらい、「この会社は信頼できる」というお墨付きをもらうという、第三者認証制度です。

つまり、「ルールを決める(Plan・計画)」「それを守る(Do・実施)」「守られているかをチェックする(Check・検証)」「改善を続けていく(Action・改善)」=PDCAというシンプルな仕組みになっています。

ただし、「何をルールにするか」「どのようにチェックするか」といった、『○○をしなさい』という具体的なことは求められていません。『○○をするためのシステムを作りなさい』ということが要求されているだけです。
このため、取組み方は会社によってまちまちです。同じような規模の同じような状況の会社がISOを導入しても、取組み方によってまったく違うISOシステムが出来上がってしまうこともあります。
こんな声を聞いたことはありませんか?
  • 「ISOマニュアルを作ったが、日常の業務の流れに合わない」
  • 「ISOのせいで仕事が煩雑化したり、文書が増えて余計にややこしくなった」
  • 「事務局以外の誰もISOを理解していない」
  • 「認証取得後に何をしていいのかわからない」
  • 「とりあえず『不適合』をもらわない程度の審査対策しかしておらず、更新に費用がかかるばかりで役に立っていない」
その一方で「日常業務に沿った、誰もが使いやすいマニュアルができ、ISOの基本である『業務の標準化』を実感できた」
  • 「ムダな業務が減って仕事がスムーズに流れるようになり、残業も減った」
  • 「パートから経営者まで、みんながISOに関わる体制が出来上がった」
  • 「ISO認証後にも適切な目的、目標を持って、意識を向上し続けている」
  • 「審査のためでなく、自社のレベルアップのための『継続的改善』ができている」

この差はいったいどこから来るのでしょうか。
もともとの社風? 会社の規模や人材の違い? 大手で人材豊富な企業と、中・小規模で人的経済的に余裕のない企業との違い?
いいえ、そうではありません。『普通のISO』と『うまくいくISO』の違いです。

ここで使用した『うまくいく』のフレーズ、これまで私たちは『成功する』という言葉で表現していました。
しかし、『成功』には『成功という状態に到達する』といったニュアンスが感じられます。
ISOはPDCAを継続的に回していく仕組みづくりをするものですので、到達して終わりではありません。目標を定めてそこに到達しても、新たな改善点を見つけたり変化に合わせて対応するといった「継続的改善」を求めています。組織として、また組織の業務を行う一人一人として、絶えず成長し続けることが求められているのです。

「成功するISO」よりもむしろ「成長するISO」の方がふさわしい表現かもしれませんが、ISOを構築するすべての組織にうまくいってほしいという願いも込めて、「うまくいく」という言葉に置き換えました。
ただし、お伝えしたいことはこれまでと同様、以下の内容となります。

うまくいくISOとは?

うまくいくISOのためのキーワードは、以下の3つ

作りやすい (ムリせずにISOシステムを構築できる)
使いやすい (作ったシステムを楽に運用できる)
続けやすい (楽に運用できるから効果が上がる)

作る
できることからはじめる
せっかくISOを構築するのだからと、新たなルールを作ったり、あれもこれもマニュアルに詰め込むと、作るのも手間がかかる上、運用するのが大変です。
まずは、今現在、組織の中にあるシステムやルールを見直し、それを整理すること。
これが、ISO構築の第一歩です。

使う 作る
わかりやすいマニュアルを作る

マニュアル作成はできるだけ少ない負担で行い、楽に運用できるに越したことはありませんが、単にシンプルなマニュアルは危険です。実際にマニュアルを運用する段階になると、「内容が薄すぎて具体的に何をすればよいのかわからない」ということになり兼ねません、
一方、分厚い文書、複雑なマニュアルやシステムでは、構築に膨大な時間と手間がかかったり、従業員が誰も理解していない、ということも起こりえます。
使いやすく続けやすいのは、『誰が何をすればよいのかがわかる』、そして、会社にとって『必要なことが定められている』マニュアルです。


作る 続ける
それぞれの役割と権限を明確にする
システムを運用するのは「人」。立派なマニュアルを作っても、守られなければ何の意味もありません。
リーダーは組織にとって必要なシステムとは何かを明確にすること。
従業員は自分は何をすればよいのかを理解し、一人ひとりが目標を持って組織に参加すること。
これがそれぞれの役割です。
そのために、どのように人的資源を活用するか、効果的な教育訓練のために何をすればいいのかを明確にすることが大切です。


続ける
効果のある内部監査を行う
ISOは、導入してすぐ効果があるものではなく、認証取得後の活動が数年かけて少しずつ効果を発揮するもの。
そのために重要なのが『内部監査』です。単に『ISOマニュアルに従っている』ことを監査するだけでなく、『ISOシステム自体がちゃんと効果を出せているか』までもチェックすることで、『成功する内部監査』となります。
ISOがうまく運用されるようになると、今までおかしいと思っていなかったことを不適合として判断できるようになるため、不適合はどんどん出てきます。これは、「改善しようという気運」が高まった証拠であり、良い傾向です。不適合を出さない、ではなく、不適合を発見できる仕組みづくりができるようになれば、それが『うまくいくISO』である証拠です。

ISOはときに「書類さえ作ればよい」と思われ、「いかに楽に簡単にシステムを構築するか」という話に流れがちです。
しかし、簡単にシステムを作れば、認証取得はできてもISOの効果が現れない。
また、どんなに優れたシステムでも、運用できなければ意味がない。
この狭間で苦しみ、ISOをうまく活用できない企業をたくさん見てきました。

確かにISOは『認証取得』がゴールの1つであり、それはISO取得のクライマックスとも言えます。
しかし、会社が本当の意味で『うまくいく』ためには、ISO取得後にもきちんと運用していくことです。そうすることでISOの効果が現れるように出来ているのです。

ISOは「あるべき姿」を描き、そこを目指していくための仕組みです。
しかし、日々すべきことは「昨日よりもうまくいく状態」でよいかもしれません。大切なことは、その「うまくいく状態」が「あるべき姿」から離れていないこと。せっかく努力しても、目指すべき方向とは違う方向を向いていたら、残念ながらその努力もむだになってしまうかもしれません。

組織で働くひとり一人が『自分の仕事にとってうまくいく状態とは何か』を考えていくこと、これがISOの『プロセスアプローチ』であり、『自覚教育』です。
1つでも多くの会社、一人でも多くの人々を『うまくいく』ように導きたいと、アイムスでは願っています。







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