食品関連認証規格


HACCPとは

 食品は、農場から食卓まで多岐にわたっているため、農場、工場、加工所、レストラン、スーパーなどそれぞれのセクター毎に複数の食品衛生管理規格が存在しています。また、気候や食習慣の違いにより、地域毎にも異なった衛生基準があります。
 そのなかで、最も国際的に普及している規格がアメリカで開発されたHACCP(ハサップ)システムです。HACCPシステムとは、食品危害を防ぐための『HACCP12手順』に従った製品づくりを行っていることを、第三者が証明した認証制度です。
HACCP(Hazard Analysis Critical Control Point:危害分析・重要管理点 食品の生産から消費者の口に入るまでのすべての段階で、『予測される危害』を分析し、「食品危害を重点的に管理するポイント(重要管理点:CCP)」を定め、管理方法を決めること。
 HACCPにおける危害管理は7つの原則からなり、7つの原則を実施するための『5つの手順』の計12手順で実施される。
 HACCP認証は、「HACCP7原則12手順に基づくハザード分析手法を採用している」ことを認証するものです。ただし、HACCP12手順だけでは認証取得はできないので、前提条件プログラムを構築する必要があります(CODEX食品衛生一般原則など)。





CODEX(コーデックス)食品衛生一般原則

 CODEX食品衛生一般原則は、HACCPを構築するときに基本として使われています。ISO 22000を構築する場合にも、導入されることの多い規格です。
CODEX(コーデックス) コーデックスは、コーデックス・アリメンタリウス(Codex Alimentarius)の略で、ラテン語で『食品基準』の意味。コーデックス委員会は、1962年FAO(国連食料農業機構)とWHO(世界保健機構)によって設置された。消費者の健康を守り、世界共通の基準を設定することによって食品の貿易の公正化を図ることを目的としている。
コーデックス(CODEX)の概要
原材料の生産
環境衛生、衛生的生産、取り扱い・貯蔵・輸送、洗浄、従業員の衛生
施設
立地、施設・設備、コンテナ・輸送容器・加工・冷蔵・冷凍・貯蔵設備の良好で衛生的な設計および配置
作業の管理
食品危害の制御、衛生管理システム、受入材料、包装・水、管理・監督、文書化・記録、回収など、食品に関する効果的な管理システムの設計、実施、監視、見直し
設備・保守管理・衛生
保守管理、洗浄プログラム、廃棄物の管理、鼠族・害虫制御、監視など、食品危害、鼠族・害虫、食品を汚染する可能性のある物質の管理
設備・要員の衛生
従業員の健康状態、疾病・傷害、従業員の清潔・行動、訪問者の衛生
輸送
食品を汚染、損傷させない使用・保守管理、輸送車両・コンテナの条件
製品情報・消費者意識
ロットの識別、包装食品の表示、消費者教育
教育・訓練
食品取扱い従業員の自覚と責任、教育・訓練プログラム、研修・管理、再教育・訓練


HACCPの法制化

 HACCPへの取組や認証取得については、各組織の任意とされています。しかし、2018年に『食品衛生法等の一部を改正する法律案』が公布され、HACCPに沿った衛生管理が制度化されることになりました。これによって、すべての食品等事業者は、一般衛生管理に加え、HACCPに沿った衛生管理の実施が求められるようになります。
 すべての食品事業者がHACCPシステムを導入するのが望ましいのですが、組織の規模や業種によっては、HACCPを確実に整えるのが難しいこともあります。そこで『HACCPに基づく衛生管理』だけでなく、『HACCPの考え方を取り入れた衛生管理』の二つの方法で対処できる仕組みとなっています。

 日本では、衛生管理の考え方等の普及により食中毒の発生件数は減少傾向にあります。しかしながら、一定の水準で高止まりしているのが現状です。その理由の一つは、手洗い等の従業員の衛生管理や食材の保管等の『一般衛生管理』の考え方が普及していないことがあります。これに加え、高齢化が進む中で、食中毒事故の増加が懸念されています。
 また、国際的な流れとして、食品の国際的な流通が広がったことから、各国の衛生基準が異なっていると流通が阻害されるという問題が発生しています。それらを防ぐためにも食品衛生に関する国際標準をベースにした衛生管理システムを構築することは必須となっています。オリンピックや大阪での万博等の国際イベントに備え、国際標準をクリアした基準が求められています。

JFS認証制度

 食文化は国によって異なるため、世界標準の管理基準を定めることはできません。各国にHACCPは存在していますが、日本では自治体の定めたHACCP、業界のHACCP等、様々なHACCPが存在していました。そこで、HACCP法制化に向けて、認証規格の一つとしてJFSが生まれました。JFSでは管理レベルごとに3つのランクがあり、自社の規模や目的に応じて取り組めるようになっています。




その他の食品安全規格

●SQF(Safe Quality Food)
 1990年代半ば、オーストラリアの州政府が開発。2003年、約2300社で組織するFMI(ワシントン)が米国で広めるために所有権を獲得した。一次生産者、食品製造、販売セクターが対象。畜産、水産業など30分野ごとにわかりやすく規定が設けられており、農家や中小企業も認証取得を目指しやすいといわれる。 製品、プロセス、サービスが法規制、基準、HACCP規格に合致していること及び、食品サプライヤ―の生産、加工、出荷における高い水準を保証する。「HACCPの12手順」に「品質側面」という考え方を加えたもので、衛生管理レベルでは最高レベルのものが要求される。

●BRC/IOP Packing

 イギリスのBRC(英小売協会・British Retail Consortium)が発行した「パッケージング」に関する規格。流通における食品包装に関する内容が中心になっている。外部から異物混入がしにくくするためのガイドラインがまとめられている。(※日本語での審査は行われていない)


●IFS

 ドイツとフランスの食品小売業界団体(HDEとFCD)が発行した規格。プライベートブランドを扱う食品加工業を対象として、安全性をモニタリングするためのもの。EU経済統合をにらみ、食品流通に一定の歯止めをかけることを目的としている。店頭で販売する食品の安全性に対し、企業は具体的にどのような貢献をするか、ということを求めている。(※日本での認証は行われていない)

GAP(Good Agriculture Practice) 1998年に米国で提唱され、欧米などで普及が進む。安全で衛生的な農産物を流通させるため、農家は病原微生物の農産物の付着防止や農薬の適正使用などを守り、合わせて文書で記録を残し続ける取り組み。HACCP同様、国によって異なる(J-GAP、Global GAPなど)
※規格の内容、状況等は変化する可能性があるため、本ページに記載した情報は最新のものではないことがあります。


食品安全マネジメントシステムとは