パフォーマンス評価(9.1)


『Check』『Action』を活用する

ISOを構築する際、PDCAの『PLAN』『DO』に関しては行われていても、『CHECK』『ACTION』が蔑ろにされているケースが多々あります。形だけのチェックや改善を行っていると、ISOシステムがきちんと活用されているとは言えません。

ISOの要求事項において『C』に該当するのは「9.パフォーマンス評価」です。 マネジメントシステムにおける様々なパフォーマンス評価が、ここに集約されています。
ここでは「ルールが守られているかどうか」「効果が出ているかどうか」「もっとよい方法がないかどうか」など、さまざまなことを確認し評価していきます。


評価の3つの視点

ISO規格要求事項では、評価は以下の3つの視点によって行われるべきとされています。

1.自己による評価(9.1 パフォーマンス)

自身(自部門・自社)が目標を定め、それを達成できたかを評価します。
日々の日報の積み重ねの中で定期的にデータを把握し、問題があるかどうか、課題はどこにあるかを見つけていきます。通常業務を通じて日常的に評価を行います。

2.他者による評価(9.2 内部監査)

しかし、通常業務の一環で評価を行うと、どうしても目の前の仕事に追われ、評価に甘えが出たり、業務に追われてデータをうまく活用できず、見逃すことがあります。
このため内部監査において、業務を離れた状態で普段隠れがちな問題を見つけ、改善に直結させる取り組みを行います。
他者(通常業務に普段関わっていない他部署の方)にチェックしてもらうことで、見落としがちな課題を見つけていきます。

内部監査の手順、監査の3つの視点についてはこちらへ

3.上司による評価(9.3 マネジメントレビュー)

また、上司が定期的に評価を行うことで、組織が意図する『あるべき姿』に照らし合わせて、パフォーマンスがきちんと行われているかを総合的にチェックします。


パフォーマンス評価

『9.1 パフォーマンス評価』を行うための手順は以下の通りです。

◆パフォーマンスを評価する(9.1.1)

組織は、品質マネジメントシステムのパフォーマンス及び有効性を評価しなければならない。

パフォーマンス評価とは、自分(自社・自部署)のプロセス(業務)がうまくいっていることを、何をもって判断しているかを明確にすることです。
普段「暗黙の了解」や無意識に行っていることを『パフォーマンス』として認識し、システムの中に組み込 「数値化」することで現状を把握しやすくします。

パフォーマンス(成果・業績)という言葉から「現状よりもどれだけ改善されたか」という目標管理をイメージする方もいらっしゃいますが、2008年版の『プロセスの監視』と同じだと考えていただければよいでしょう。
『最も仕事がうまくこなせたと実感できるもの』が指標となるどんな人にも、どんな部署にも「今日は仕事が上手くいった!」と万歳したくなるようなことがあるでしょう。
「大口の受注がとれた」「目標利益をクリアできた」とか、「新人がトラブル時にしっかりと対応してくれてた」「いつもより問い合せが多かった」、あるいは「クレームが発生しなかった」といったことも考えられます。

これらを「大型案件受注件数」「新規問合せ件数」「トラブル対応実績」「ノルマ」「クレーム件数」「残業時間」といった指標に置き換えていきます。
例えば残業時間等を指標にした場合、残業時間が少ないということは段取りよく仕事がいった証拠、また機械がトラブルなく動いたという証拠、と考えられます。


◆顧客による評価(9.1.2)

組織は、顧客のニーズ及び期待が満たされている程度について、顧客がどのように受け止めているかを監視しなければならない。

さて、いくら素晴らしいパフォーマンス指標を掲げ、結果を出せたとしても、その結果に満足しているのは自分だけ…では意味がありません。
提供している製品やサービス、あるいは会社そのものに対する顧客の評価を常に確認する必要があります。自部門の内外の評価を踏まえて活動の妥当性を評価します。
よかれと思ったことではなく、顧客が満足することを例えば、『不良率が低いこと』を指標としていても、不良率の低さと顧客満足度の高さは必ずしも連動するとは限りません。指標を達成するために、従来は廃棄していたものを提供したりすれば、不良率は下がっても、顧客満足度が下がるのは自明のことです。

また、指標として「納期順守」を設定したとしても、納期に合わせるため目指すべき基準に到達しないまま出荷してしまうと、当然、顧客の満足度は必ずしも高いものにはなりません。この場合、納期を順守するための指標とは何かを考慮した上で、指標を設定する必要があります。


◆分析及び評価(9.1.3)

組織は、監視及び測定からの適切なデータ及び情報を分析し、評価しなければならない。

指標としてどのような数値を設定するかについては、組織や個人の業務内容によって様々です。受注、売上の件数、工程内の不適合、歩留まりなど、ケースバイケースで考えます。

ここで重要なのは『分析および評価できるような指標(9.1.3)』です。
自分の目標値に目が行きがちになり、表面的なデータ管理をしてしまうことがあります。個別のデータをみて、うまくいっているかどうか一喜一憂しても仕方ありません。野球に例えると、打率がどんなに高くてもチームの勝利に貢献できていなければ意味がないのです。

9.1.1と9.1.3は同時に考えてみよう要求事項の順番に従うと、『9.1.1』で指標の対象となるものを決め、その評価の結果を『9.1.3』で活用する、といった流れになりますが、9.1.1と9.1.3は一緒に考えるとよいでしょう。
指標を設定する際には監視結果をどのように活用するかを考慮しておきます。会社全体の役割にあっているかどうかを常に考え、適切な指標を設定するようにしましょう。

> ISO 9001の基本についてはこちらへ