5章 リーダーシップ 5.1/2 リーダーシップと品質方針 | 5.1.2 顧客重視 | 5.3 責任・権限

ISOで大切なのは「人」…責任及び権限について知ろう
- 誰が責任と権限を持つべきなのか、を決めるための根拠を知っておきましょう。
- 責任と権限を持つ人を決めるための「事業プロセスとISOシステムとの一致」について理解しましょう。
トップマネジメントは責任権限を明確にする
トップマネジメントが描いた未来図を達成するために、具体的に誰の責任で行動するのか、誰の判断で行うのかという役割を明確にし、責任権限を明確にしておく必要があります。
業務の決定権を持つ人がISOに関わろう
ISOでは、プロセスアプローチに基づきプロセスの管理体制(5M)を整えることが求められています。
(※5M:資源(Material)・設備(Machine)・人(Man)・方法(Method)・基準(Monitoring)
プロセスを整えるためには、人やモノが不可欠ですが、際に人員を配置したりモノや設備の購入を決定するのは「管理層」です。
つまり、それらを行う権限を持たない者がISOの責任者となっても、マネジメントシステムはきちんと運用できません。
総務、購買、工務、製造部、品質保証等の各部門が責任をもって行動できるよう、各部門のマネージャーがISOに係わっていくことが必要です。
ISOでは、事業プロセスとISOは一致していることが大前提です。
ISOは業務そのものであるとされるため、部門の仕事がそのままISOの仕事になります。
実際の事務作業等については「窓口」や「まとめ役」等の担当が行っても構いませんが、ISOを担当する責任者は、「ISOのみを担当する」という位置づけではなく、「全社的なマネジメントシステムを司る」という役割が求められています。
事業プロセスとISOシステムを一致させよう
リーダーは、自らが「意図した結果(自社が目指すべき方向性、こんな会社になりたいという方向性)を、具体的に実現できるよう、各部門の責任、権限を明確にします。例えば、
- 柔軟に商品開発をし続けていくことを目指すなら…
- 開発等に権限を与え、スピーディーな開発ができるようにする
- 試作を中心に顧客に寄り添う会社を目指すのなら…
- 試作対応ができることを営業が積極的に顧客に伝え、現場も臨機応変に対応できる生産管理を行うための体制を作る
このように自社はこんな組織を目指すので、「部長はこんな仕事をしてほしい」「課長は…」「営業部は…」「事務は…」と、組織内部の権限を明確にすることが、「事業プロセスとISOは一致している」という状態です。
ISO規格要求事項
- 4章 組織 4.1/2組織・利害関係者 | 4.3 適用範囲 | 4.4 プロセスアプローチ
- 5章 リーダーシップ 5.1/2 リーダーシップと品質方針 | 5.1.2 顧客重視 | 5.3 責任・権限
- 6章 リスク及び機会 6.1 リスク及び機会 | 6.2品質方針
- 7章 支援 7.1-7.5 支援 | 7.1.6 知識 | 7.3 認識 | 7.5 文書化
- 8章 運用 8.1/2 運用・顧客とのコミュニケーション | 8.3 設計・開発
- 9章 評価 9.1 パフォーマンス評価 | 9.2(1) 内部監査 | 9.2(2) 内部監査の進め方
- 10章 改善 10.2 不適合と是正処置 | 10.3 継続的改善