ISO 9001とISO 14001との違い


ISO 9001とISO 14001との違い

ISO 9001は品質(顧客満足)に関するシステム、ISO 14001は環境に関するシステムです。

経営面に配慮し『顧客が望むもの』を提供する 
→ ISO 9001(顧客満足)

環境に配慮し『地域住民が望まないもの』を提供しない 
→ ISO 14001(環境)


『望むものを提供する』と『望まないものを提供しない』
要するに、2つのシステムは結局は同じ目的を持っています。


ISO9001とISO14001の違いは『視点』

では、2つのシステムの違いとは何か。 それは、『視点』です。「品質面から見た場合」と「環境面から見た場合」という視点が違います。

ISO9001の視点 ISO14001の視点
経営面に配慮し、必要なものだけを仕入れ、ムダなく製品を作る 廃棄物を削減する 
廃棄物の処理にかかる費用や手間を減らす(コスト削減)
ムダのない作業工程(システム)で作業する 労働時間の短縮により省エネを行う
システムの効率化によって余裕が出来、顧客の求める製品を作り出す

ISO 14001に取り組むことで、『顧客が望むものを提供する』ための経営改善や顧客満足(ISO 9001の分野)にも取り組むことができます。
逆に、ISO 9001を構築することで、ISO 14001の視点も組み込むこともできます。
どのISOマネジメントシステムを導入するかは、自社が『何を自社の目的(方針)としたいか』によって、決まります。

環境影響を「アウトプット」「インプット」の両面から考える

 組織の環境問題を考える上で、二つの考え方があります。ひとつは『アウトプットからの環境影響の考え方』。もうひとつは『インプットからの環境影響の考え方』です。

●アウトプットからの環境影響の考え方
 製品をつくるとゴミが出ます。そして、環境にやさしく、法律を遵守した方法で処理をします。これが、アウトプット(排出されたもの)を処理しようという考え方です。
 ただ、廃棄物をきちんと処理しようとすれば、廃棄物の処理に莫大な費用と手間がかかります。つまり、経営コストがかさみ、環境にはやさしくても経営には厳しい…そんな状況になりかねません。

製品 →廃棄物・環境に害を与える物質(公害) →アウトプット →膨大な廃棄物処理

●インプットからの環境影響の考え方
 『アウトプットから』の考えに対し、逆にインプット(発生するもの)から環境影響を考えてみます。
 製品を作るとゴミが出る、というなら…製品を作らなければ良いのです!…ではなく、『ゴミが出ない方法で製品を作る』ことを考えてみます。
 そのためには、製品の設計段階で『廃棄物を削減するシステム』を考えます。材料はムダが出ないように適切に受注する、ムダが出ない設計を行なう、ゴミは別の製品に利用できないか考えてみる…など、様々な方法があるでしょう。
 こうすることで、廃棄物を処理するための費用や手間が削減できます。
 さらに、業務全体のプロセスを見直すので、ゴミだけでなく、時間や人員や工程の『ムダ』もなくすことになります。

(廃棄物を出さないプロセス)
インプット(製品)→ 廃棄物の減少→廃棄物処理の減少

ISO 9001とISO 14001は別々のシステムではなく、同じプロセス管理の中で、
・意図する製品(顧客が望むもの)を提供する
 →ISO 9001
・意図しない製品(顧客が望まないもの)を管理する
 →ISO 14001
ということになります。
 
リスクと機会も「視点」で考える万が一、自社で定めた『環境計画』どおりに行われない事態が生じたら─ということを想定して備えておくのが『リスク及び機会』です。
ISO 9001:2015では、例えば 「インフルエンザで社員のほとんどが欠勤 」「震災等により設備が壊れた」といったことを想定します。
ISO 14001:2015でも、上記のような想定をしても間違いではありません。ただ、「そのことによって環境に何らかの影響を与える場合」のみを考えます。

リスクとしては―
・震災等によって設備が壊れることにより  
(ISO 9001)
 製品が作れない→供給停止になる  
(ISO 14001)
 工場排水が濾過できず川に垂れ流しになる

機会としては―
・ある製品がブームになり、製造が増加することにより  
(ISO 9001)
 売り上げが上がる  
(ISO 14001)
・低下生産量が増えることで、設備を長く使うことができ使用するエネルギー効率が高まる(立上げ時にエネルギーを消費するので、稼働時間が長い方がよい)   
・材料を使い切ることができるので、ロスが少なくなる   
※売上金の一部で緑化を行う、といったCSR的な活動も考えられます このように、視点はあくまでも「環境への影響」です。