PRP(前提条件プログラム)、OPRP(オペレーションPRP)、CCP


PRP(前提条件プログラム)とは

PRPとは「Prerequisite Program」の略で、前提条件プログラムと訳されています。食品安全のための「前提」となるべき「条件」を決めよう、ということです。PRPは、食品安全が起こる可能性を低減させる手順方法ですが、生産活動には直接関連するものではありません(工程の一部ではない)。

PRP(前提条件プログラム)
食品安全の『前提』となる決まりを作る(手洗い、消毒、従業員の教育、衛生、害虫管理など)
PRPを定着させる活動の例 →5S運動:整理・整頓・清潔・清掃・躾

HACCP12手順
PRPを土台にして、食品安全ハザードを防ぐための12の手順を作る 


PRPの取り組み方の違い

●HACCP
HACCPの認証取得に際しては、前提条件プログラムの項目、内容についての定めはありません。認証を与えている団体によって、項目が異なります。

●ISO 22000
ISO 22000では、PRPの項目は次の11項目と定められています。

【ISO 22000のPRP項目】
  • 建物の構造・レイアウト、付随設備
  • 作業スペース、従業員用設備等の施設のレイアウト
  • 空気、水、エネルギー等の供給
  • 廃棄物・排水の排出
  • 工程機器の洗浄、保守、予防メンテナンスに対する適切さ
  • 購入原材料・資材、水・蒸気・空気・氷等の供給、廃棄物・排水等の排出、製品の取り扱いに対する管理
  • 交差汚染防止対策
  • 洗浄・消毒
  • 虫類・動物の管理
  • 人員の衛生
  • その他の必要事項

ただし、具体的に何を行うと言った基準は定められていません。国や地域、業界等により、いくつもの衛生標準が存在します。
既にHACCPを取得したうえでISO 22000を構築する会社は、既存の基準にそのまま適応しているケースが一般的です(厚生労働省のHACCP等)。HACCPを導入せずにISO 22000を構築する会社は、Codexガイドラインを取り入れることが大半です。どの基準を利用するかは、各会社が自由に決めることができます。
「Codex」と「厚生労働省HACCP」の違いたとえば、掃除をするときに「水を流す」方法で掃除をする会社があります。しかし水は、栄養、温度と並んで、食中毒の原因のひとつになるため、食中毒防止を徹底的に行うなら、水はできるだけない状況にしておくことが望ましいのです。
これについて、『Codex』では「ドライを推奨」「ドライでなければいけない」と、水を使用した掃除についての記述が明確にされています。
しかし、現在、水で掃除をしている会社がいきなりドライ掃除に変えるには、施設の構造そのものを変えなければならないこともあります。そうすると、「前提」の時点でいきなり高いハードルを突きつけられ、ISO 22000どころか最初の一歩も踏み出せないことになります。
一方、『厚生労働省HACCP』の基準は、ここまで厳しいものではなく、「清潔に保つ」という記述のみです。そもそも厚生労働省HACCPの基準は、「Codex」をベースにし、日本の食品会社の現状を踏まえて、「やや基準を緩くして」作られたものです。
食品安全に万全をはかるなら、Codexの厳しい基準をクリアする方がよいのは言うまでもありませんが、日本の食品会社の多くは、その基準を満たしていないため、このような状態になっています。

●FSSC 22000
FSSC 22000では、PRPの項目はISO 22000と同様ですが、『その他の必要事項』が具体的になっています。また、実施すべき内容は『PAS 220』に従うことになっています。


PRP(前提条件プログラム)とOPRP(オペレーションPRP)とCCPの違い

・PRP(前提条件プログラム):食品安全のための『前提』となる基本的な衛生管理。
・OPRP(オペレーションPRP):PRPよりは厳しく管理。
・CCP(重要管理点:Critical Control Point):食品危害が特に発生しそうな箇所を重点的に管理。

モニタリングの違い

ISO 22000では、各管理手段は、7つの項目によって振り分けるべきとされています(要求事項「7.4.4管理手段の選択と判定」)。このうち重要なのは、モニタリングです。

モニタリングが
・必要でない→ PRP(ハザード評価に関係なく「衛生管理として実施する基本的な項目)
・必要である→ OPRP、CCP(ハザード評価の結果、管理すべき項目として位置づけたもの)

許容限界の必要性
次に、オペレーションPRPとCCPの違いについてですが、許容限界を決めて管理すべきかどうかです。
許容限界を
・決めて管理しなければいけない→ CCP
・決めなくてもよい→ OPRP

3つの管理手段の違い
以上に基づいて、それぞれの違いを「手洗いの管理」を例にとってまとめてみます。
・PRP: 特に何も必要ない
・OPRP: 手洗いをしているかどうかをチェックする(表に書き込む など)
・CCP: 具体的な管理基準を決めるなどしてしっかり管理する(何秒間手を洗う など)


食品安全マネジメントシステムとは