リーダーシップと品質方針(5.1、5.2)


リーダーシップ

5.1.1
トップマネジメントは、品質マネジメントシステムに関するリーダーシップ及びコミットメントを実証しなければならない。


ISOでは、経営者(トップマネジメント)のリーダーシップが非常に重視されています。なぜなら、組織の運営管理をうまく機能させるためには、達成すべき目的(品質・顧客満足)や進むべき方向性をはっきりさせて、必要な資源を投入することが不可欠だと言えるからです。

●ビジョンを描く

トップマネジメントは、ISOをどのような風に活用したいのかという明確なビジョンを描き、自社の品質マネジメントシステムにおいてリーダーシップを発揮していることを実証することが求められます。

●言葉で理念を「コミット」する

自社ではこのような考え方で品質マネジメントシステムを管理しているということを、トップが責任をもって外部に対し「コミットメント」できるようにします。
コミットメントとは「積極的約束」「主体的関与」と訳されることが多く、「契約」と「約束」と間の言葉だといえるでしょう。「私が言うから信じてください、私が責任を持ちます」といったニュアンスになります。
リーダーに求められるのは「言語化能力」と理念の「成文化」です。理念は「戦略」「戦術」「戦闘」の3つのステップで、組織全体に周知させます。
品質マネジメントシステムの有効性に対する説明責任(自社ではこのような考え方で管理しているということを、外部に対し責任をもってトップが説明できる体制にしておくこと)が求められます。


品質方針

5.2.1 品質方針の策定
トップマネジメントは、品質方針を確立し、実施し、かつ、維持しなければならない。


トップマネジメントは、顧客重視の姿勢を踏まえ、組織の「あるべき姿」を品質方針によって方向づけます。組織の状況と戦略的な方向性が両立できるような品質方針を確立します。

品質方針と聞くと、「品質」という言葉にとらわれて、製品やサービスの質の向上にばかり目が行き、現場での取り組みに関するものに限定してしまいがちです。 しかし、ISO 9001は「製品」の質ではなく、「経営」の質を向上させるシステムです。自社の経営理念を、そのまま方針に反映させていけばよいはずです。

●方針を「スローガン」に終わらせない

抽象的な方針や目標ではなく、「会社が何をしたいのか」を明確にし、単なる『スローガン』で終わらない『品質方針』『環境目標』を設定します。

●方針の実現が難しそうな場合は

改善方法がわかっていても、費用等の関係で実現が難しいときもあります。しかしその場合も、『お金がないのでできない』ではなく、現在とりうる最善の策を検討することが大切です。『ベスト』でなくて常に『ベター』を目指すようにし、現場の実情と経営バランスを一致させます。

●さまざまな品質方針の形

品質方針と言っても新たに考えるのではなく、すでに「社是」または「経営方針」があれば、それが品質方針です。
もしそれが古い時代に作成されたもので今の企業に合わない場合であれば、この機会に見直してみましょう。ISO 9001は、経営理念や方針を考えるきっかけになるだけでも取り組む意義があると言えます。
経営理念や方針が存在していない場合、ISO構築はそれらをつくっていくための、絶好のチャンスです。方針と言っても難しく考えることはありません。社長個人の座右の銘でも構わないでしょう。
大切なのは、自分の目指すべき姿、会社の目指すべき姿をイメージし、品質方針や経営理念という形にして、はっきりと社員に示していくことです。

リーダーの気風はそのまま社風となります。
リーダーシップが中小企業を「依存型」から「自立型」に導きます。