『7.支援』について(資源・力量・認識・コミュニケーション・文書化した情報)


『支援』とは

『7.支援』は、ISOシステムをどっしりと『支援』するための総力が結集された章です。
プロセスをアプローチ』のページでも説明していますが、必要なスキルやノウハウ(資源)を明確にし、守るべき知恵、伝承すべき技術を整理することで、適切なアウトプットへとつなげていきます。


◆資源を明確にする(7.1)

日常的に物を管理したり目標達成するため、あるいは何らかのリスクが生じた際に、個人の経験則や力量ではなく全社で対処するシステムを整えるため、必要な資源を明確にします。

(必要な資源)
・人々(7.1.2)
・インフラストラクチャー(7.1.3)
・プロセスの運用に関する環境(7.1.4)
・監視用および測定用の資源(7.1.5)

また、個々のスキルを会社として守るべき共通のノウハウ(知識/7.1.6)として認識し、管理します。

適切な資源を見直してみよう例えば、新サービスを打ち出すにあたり、
  • 既存のインフラで十分に対応できるのか
  • 問合せに適切に対応できるようにスタッフの教育は十分なのか
  • 説明資料に不備がないのか
などを十分に確認し、足りないもの(適切な資源)を準備できているか見直してみましょう。
営業からシステム整備、サービス提供、アフターフォローを含め、トータルで最もよいパフォーマンスを追及するために、本当に自社にとって必要な資源が整えられているかを理解し、確認します。


◆力量を明確にする(7.2)

力量とは個人の能力ではなく、知識(ノウハウ)どおりに実施できる『業務に必要な力』のことです。
職制等によって、同じ業務を進める際にも身につけるべき能力は異なります。それらを明確にします。


◆力量を身につけるための教育を行う(7.3)

明確にした『力量』を満たせるよう、教育を行います。
技能そのものだけでなく『自分はなぜこの仕事をする必要があるのか』をひとり一人が自覚できるようにすることが、マネジメントシステムにおける教育です。ISOでは『認識(Awareness)』という言葉を使っています。

マネジメントシステムは「全員参加」が基本。どこかの部署は関係ないということは、ありえません。 従業員一人ひとりが、リーダーの掲げた目標達成のためには自分たちに何ができるのかを考えます。

時折、一般の社員教育と、ISOのために実施している教育がリンクしていないケースがあります。プロセスアプローチを考慮しながら、必要な項目を整理しリスク等を考えていくと、「何を教育すべきか」が明確になっていくでしょう。


◆理解しているかどうかをコミュニケーションを通じて確実にする(7.4)

組織が求める人材(力量)を明確にし、それを教育によって認識させても、いつもと違う状況が生じた際は、その都度情報として伝え、共有していく必要があります。
社内でのコミュニケーション活動を通じて認識を促すために、その方法を取りまとめます。
会議の内容を見直してみようコミュニケーションの方法の一つとして、会議を開くことがあります。
しかし、ここでのコミュニケーションは会議を行うということでなく、業務をスムーズに行うためのコミュニケーションというイメージです。いわゆるホウレンソウを確実に行うとが求められます。会議を行う場合はその役割を明確にします。


◆文書化する

コミュニケーションや教育だけでは、仕事を進めていく上でのすべてを伝えることはできないので、最低限の情報を共有するため、必要な手順書等は文書化します。

ISOマネジメントシステムは、個人の『スキル(技能)』を組織の『ノウハウ(技術)』として共有するための仕組みです。
例えば、おいしい料理を作ることができるのはスキル(技能)、そのレシピを作りスタッフ全員が作れるようにすることがノウハウ(技術)といえます。すなわち、情報を共有して、会社の財産として利用できるようにします。レシピをを共有する手法として『手順書(文書化した情報)』が求められています。

一方で、ノウハウには『機密情報』という一面もあります。文書化したものを厳密に保護する必要があるのはこのためです。
また、すべてのスキルをノウハウにすること(文書化)は現実には不可能です。

では、何を文書化すべきなのか。それは「組織が必要と考えたもの」です。
7.1から7.4までの流れをきちんと理解していれば、文書化しなくても共有可能なスキルや、守るべき重要なノウハウが明確になり、自ずと『必要な文書』は明確になるでしょう。


>> 7.1.6 知識について
>> 7.3 教育(認識)について 
>> 7.5 文書について